外国で車を運転するためには、基本的に国際免許が必要です。
しかし、日本の運転免許があれば国際免許を取得しなくても車を運転できる国がいくつか存在します。
この記事では、日本の運転免許だけで運転できる国や、日本の運転免許のメリットについて解説していきます。
Contents
【前提】日本の運転免許さえあればどの国でも運転できるわけではない
まず、日本の運転免許を持っていても、海外のすべての国で運転が許可されるわけではありません。
各国ごとに異なる法律や規制が存在し、ほとんどの場合、日本以外の国で運転するためには国際免許と呼ばれる免許を取得する必要があります。
一方で、日本の運転免許が国際免許として有効な国や地域もあり、日本の運転免許が国際免許として有効な国々では比較的簡単に車を運転することができます。
日本の運転免許で運転できる国一覧
日本の運転免許のみで運転できる国は、以下の7か国です。
ドイツ | 日本の運転免許とドイツ語の翻訳認証を保持することで、ドイツでの車の運転が可能になります。認証翻訳の代わりに国際免許も認められています。ただし有効期限は6ヶ月です。 |
スイス | 日本の運転免許とスイス語の翻訳認証または国際免許を所持することで、スイスでの車の運転が可能になります。ただし有効期限は12ヶ月です。 |
台湾 | 繫体字中国語の翻訳認証を所持することで、台湾での車の運転が可能になります。ただし有効期限は12ヶ月です。 |
ハワイ | 1年以内であれば、日本の運転免許だけでハワイでの運転が可能になります。
※レンタカーを借りる場合は、免許取得から1年以上経過していること。また、ドライバーが21歳以上であること。 しかし、ハワイの警察官には日本の運転免許を理解できない人もいるので、英語の翻訳認証又は国際免許を取得することをおすすめします。 |
グアム | 30日以内であれば、日本の運転免許だけでグアムでの運転が可能です。しかしハワイと同様、英語の翻訳認証または国際運転免許を所持していた方がいいでしょう。
※レンタカーを借りる場合は、免許取得から1年以上経過していること。また、ドライバーが21歳以上であることが条件となる。 |
サイパン | グアムと同じく、30日以内であれば、日本の運転免許だけでサイパンでの運転が可能です。ただしこちらも英語の翻訳認証または国際運転免許の所持をおすすめします。 |
カリフォルニア | アメリカ本土でありながら、国際免許は必要なく、日本の運転免許のみでカリフォルニアでの車の運転が可能になります。ただし、やはり英語の翻訳認証または国際運転免許を取得しておく方がいいでしょう。 |
他の国と比べてわかった!日本の運転免許のメリット
日本の運転免許を持つことには、いくつかのメリットがあります。
具体的には以下の3つが挙げられます。
-1、更新頻度が高いため安全意識が高まる
まず、日本の運転免許は有効期間が3〜5年とされています。
3〜5年というのは他の国に比べて短い有効期間です。
そのため、ドライバーにとって更新は面倒に感じるものですが、安全の観点から言えば定期的に更新する必要がある日本の制度は優れていると言えます。
実際に、世界における事故率を見てみると、国際道路交通事故データベース(IRTAD)がデータを有する30か国の中で、日本は7番目に事故が少ない国とされています。(※1)
※引用元」内閣府「欧米諸国の交通事故発生状況」
運転免許の更新が安全と関係するのかといえば、運転免許更新時に視力検査や各種研修が同時に行われることにより、現状の肉体機能や運転習慣をもう一度考え直す機会になるからです。
このような理由から、運転免許の更新頻度が高いことは安全という観点において大きなメリットとなります。
※1:内閣府「欧米諸国の交通事故発生状況」
-2、比較的簡単に国際免許を取得できる
日本の運転免許を所有していれば、国際免許を取得する手続きは比較的簡単に行うことができます。
日本の運転免許があれば、警察署や運輸支局で申請し手数料を支払うだけで、現地の運転免許や国際免許の取得が可能です。
国際免許は身分証明書としても利用可能になります。
-3、他の国の交通ルールに順応しやすくなる
また、日本の運転免許を取得するには、厳格な試験と道路交通法に基づいた教習が必要です。
実際に、アメリカ運転教育プラットフォーム「Zutobi」の調査によると、日本の運転免許の難易度は難しい方から数えて21位とされています。(※2)
日本には運転免許の厳しい取得条件があることにより、運転技術の向上や交通ルールへの遵守が促進されるため、日本の運転免許を持つ者は他の国の交通ルールに順応しやすいのです。
日本の運転免許を持つことで、多くの国で国際面免許の取得が可能となり、海外旅行や長期滞在が便利になります。
※2:Zutobi「The Easiest & Hardest Countries to Learn to Drive – Global Zutobi Index」
【番外編】日本で使っている車を海外で運転することはできる?
日本で使っている車を海外で運転することは、日本の運転免許の有効範囲によって異なります。
一般的に、日本のナンバープレートをそのまま使って海外で運転することは難しいことがほとんどです。
しかし、一部の国では日本のナンバープレートをそのまま認めている場合があります。
-1、ナンバーはそのままで車を使用できる国もある
日本のナンバーのままで走れる国は、韓国のみです。
自家用乗用車および125cc以上のバイクのみ許可されます(関釜フェリーの場合)。
現在、関釜フェリーが出ている下関港をはじめ、日本の3か所の港から車を積んで韓国に向かうことが可能です。
日本の運転免許があれば数多くの国で運転できる!
日本の運転免許だけで運転できる国は一部だけですが、多くの国では、日本の運転免許があれば、国際運転免許として認められ、申請して手数料を払うだけで現地の有効な免許に切り替えることができます。
したがって、日本の運転免許があれば、数多くの国で車を運転することが可能です。
海外で車の運転を考えている方は早めに国際免許に切り替える手続きを行いましょう。