日本のアレコレ

世界的には異質?日本の道路の特徴7選

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日本は道路が多く、これ以上道路は必要がないと言われることもあります。

しかし、世界と比べた時に、日本の道路環境は「良い」だけでなく世界から見ると珍しい特徴も持っています。

今回は、世界と日本の道路の特徴について解説していきます。

【1】路面の質が高い

日本の道路舗装は90%以上がアスファルト舗装です。

アスファルト舗装はコンクリート舗装に比べて柔らかいので、走行が滑らかで静かです。

また、3時間ほどで固まるので早く道路を完成させることができます。

コンクリート舗装は固まるまで時間がかかりますが、その分メンテナンスが必要なく、50年間補修工事をしていない道路もあります。

一方で、アスファルト舗装は耐用年数が10年と短く、補修工事をしなくてはなりませんが、日本では補修工事を頻繁に行っており、常に綺麗な路面になるようにしています。

メンテナンスの機会が多いからこそ、路面の質が高くなっているのですね。

また、アスファルトは排水性舗装という水はけを良くする舗装ができるため、コンクリート舗装と違い、水たまりができにくく、走りやすい道路になります。

【2】狭い国土に対して道路が多い

世界の道路密度ランキングでは日本は第14位に位置しています。※1

日本の国土の面積は約37万8000平方kmで、世界第61位の大きさではありますが、道路は血管のように全国を張り巡っています。

明治時代に鉄道の整備延長に力を入れていた日本ですが、第二次世界大戦終了後、道路の整備に力を入れてきたことが道路の多い理由の一つです。

また、1960年代から2000年にかけて高速道路の整備延長を行っています。

戦後激増する交通需要に対応し、道路整備を早急に促進するためには、一般財源以外の財源を調達する必要があるため、特定財源制度と有料道路制度が発足しました。

この財源のおかげで日本の道路は発展していきました。

 

※1:グローバルノート『世界の道路密度 国別ランキング・推移(CIA)』

【3】道幅が狭い

日本の道幅は3.5mと規定されています。

一方アメリカの道幅は3.66m、ドイツ・フランスは3.75mです。

日本の道幅は世界に比べて狭いのが特徴です。

日本の小型道路では2.75~3mとさらに狭い道路もあります。

また、路肩も世界の基準に比べると日本は狭く設定されています。

路肩とは歩道が接している車道左側スペースで、道路の構造物の保護や、故障車の待機スペースなどの役割を担っています。

路肩の幅は、0.5~2.5mと決められているため、さらに道路が狭く感じられます。

海外から来て日本で運転するときに道路が狭く感じるのは、実際に日本の道路が狭く設定されているからなのですね。

【4】車線の数が少ない

規格の高い道路の車線数に関して、日本は3車線以下が約27%を占めます。

4~5車線が約65%で、6車線以上はたった8%しかありません。

海外の例を見てみると、イギリスでは3車線以下が約3%、4~5車線が27%、6車線以上を70%です。

隣の韓国も参考にしてみると、3車線以下が約5%、4~5車線が71%、6車線以上を24%です。

日本は海外に比べて3車線以下の道路が多く、6車線以上の道路が少ないのが特徴です。

 

※2:京都大学『道路の“量”はどの程度か?』

【5】2車線道路が多いため、災害時に弱い

先に書いた通り、日本は車線の数が少ない道路が多いです。

2車線道路だとなかなか追い抜きができません。

そのため、速度が低い車が交通の流れを支配されてしまい、交通が滞ってしまいます。

海外では4車線以上の道路が多いため、どんどん追い抜きをすることができ、交通の流れが悪くなることが少ないです。

また、2車線道路だと追い抜きができないため、緊急車両も素早く移動することができず、患者を載せている救急車がスムーズに移動できないことも問題となっています。

さらに、事故・地震などの災害時に通行止めが長く続き、復旧に時間を必要とします。

日本の道路は車線数が少ないため、災害時には脆弱になってしまうのが特徴です。

【6】整備水準の低さ

日本の道路の特徴として、車線の数が少ないということを解説しましたが、これは整備水準が低いことに原因があります。

日本の高速道路はとにかく地域間をつなげることを目標として作られており、本来なら4車線で作るべき場所をコストカットして2車線で作ってきた歴史があります。

このため日本の高速道路は2車線道路が多く、整備水準が低いと言われることもあります。

また、ネットワークが不連続であることから、目的地までスムーズに移動できないこともあります。事故時の死亡率にも関係しているようです。

2車線の高速道路の死亡事故率は、4車線区間の2倍にもなります。

整備水準が低いことから、外国に比べて危険な道路が多いことがあります。

【7】制限速度が比較的低い

日本の主要都市間を連絡する道路の平均走行速度は60km/Hです。

外国と比べると、ドイツは95 km/H、フランスは96km/H、イギリスは80 km/Hと高い傾向があります。

日本の制限速度は比較的低いのが特徴です。

都市間の連絡速度を見ると、50 km/H未満の区画も多く、連絡する道路の走行速度が低い都市間を見ると、幹線道路が短いことがわかります。

日本は山が多く、道がまっすぐできないのも特徴ですが、くねくねした道でスピードを出し過ぎると危険なため法定速度が低く設定される傾向があります。

新東名高速道路では120 km/Hの法定速度区間が新たに設けられており、場所によっては法定速度が引き上げられるところもあります。

しかし、日本は平均すると外国に比べて制限速度が低いのが特徴です。

道幅は狭いものの、質の面では諸外国に勝るのが日本の道路!

外国と比べた時の日本の道路の特徴を解説してきました。

日本は道幅が狭く、車線数が少ないというデメリットの部分はありますが、道の品質が高いというメリットもあります。

特にアスファルト舗装が多い日本では、定期的なメンテナンスが必要になりますが、道路に穴が空いていることなどなく、なめらかな舗装になっているのが特徴です。

また、2011年の東日本大震災の時、壊滅的になった道路をわずか6日で復旧させた例もあり、日本の道路復旧のスピードは驚くべきものがあります。

日本の道路は狭い、車線数が少ない、という特徴がありますが、路面の質に関しては高い水準を保つため、外国から来た方は「走りやすい」という感想を持つ人が多いようです。

幹線道路の4車線化や高速道路の整備など、課題はたくさんありますが、道路の質に関しては外国に劣らない部分も持ち合わせています。

 

 

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